「ユニットケア」とは、介護施設に入居(所)された方の尊厳を守り、自立を尊重するとの考えから生まれた介護ケアのコンセプトです。
『福祉国家』で知られるスウェーデン方式に由来する介護ケアスタイルで、ご自宅に近い環境の介護施設で、他の入居者様や介護スタッフと共に暮らしながら、お一人おひとりの個性や生活リズムに応じて過ごせるようにサポートする介護手法になります。
ユニットケアの特徴
- 小規模な生活単位(ユニット)でのケアスタイル
- ユニットケアは10人以下の少人数グループを一つの生活単位として区分けし、1ユニットごとに専用の居住空間と専任のスタッフを配置することで、小規模単位での介護が可能となります。
更に、小規模ならではの家庭的な雰囲気のなかで、きめ細やかな介護ケアを行うことができるというメリットもあります。 - 個室の居室でプライバシーを確保
- 「ユニットケア」の最大の特徴の1つは、居室が入居者様個人のプライバシーが守られる「個室」であるということです。
個室がある為、ご家族様やご友人が来設されても、気兼ねなく過ごすことができます。 - 日々のコミュニケーションを可能とする共有空間
- ユニット内に他の入居者様やスタッフと過ごす共有空間があり、そこを交流の場として、他者とのコミュニケーションを図ることができます。
ユニットのスタッフはそのユニットの専任として配置するので、スタッフとも顔馴染みになりやすく、よりご家庭に近い環境になります。(尚、スタッフの配置については配置換え等で入れ替えがあります。) - お一人おひとりの状況に合わせた介護ケア
- ユニットケアは「介護が必要な状態になっても、ごく普通の生活を営む」ことを大事にしています。
お一人おひとりの生活スタイルや個性にあわせ、例えば、起床、食事、入浴、就寝といった『生活の基本行為』については、今までの生活リズムを延長する形でサポートしていきます。 - 施設内感染リスクの軽減
- 入居者様お一人おひとりに個室の居室があるので、疾患や感染症などの際に個別対応がしやすく、施設内感染のリスクも軽減できるというメリットがあります。
従来型とユニットケア型の比較
従来型
多床室といわれる従来型のタイプは4人部屋でプライバシーの確保が難しいということと、起床や食事の時間が施設で決められているというデメリットがあります。
ユニット型
ユニット型は全室個室でプライバシーが確保でき、リビングスペースがあることで他の入居者様との交流も図れます。起床や食事の時間もそれぞれに合わせることで、今までの生活リズムを継続することができます。
ユニットケアのデメリット
- 従来型特養と比較した場合、ユニットケアの特養は設備が充実している分、居住費や光熱費が割高になり、入居者様の利用費負担に反映されます。
- 居住者間でトラブルが起こったときなどには、住み替えの問題が生じるケースもあります。